レ・セイズ・ブレウル

	このブルターニュの芸術運動は、１９２３年、ジャンヌ・マリヴェルとルネ＝イブ・クレストンによって創始された。熱情にあふれた若い芸術家は、ブルターニュの芸術的表現の刷新を願望した。まだガイドの帽子や Bragou braz やリンゴ酒の杯、要するにブルターニュ風にすぎなかった芸術を創り直すことを願ったのである。その原型は、テオドル・ボトレルである。 　この観点は、ホンモノを追求しようとして、先輩たちによってたどられたクラシックな道から離れようと願う、数多くの才能ある若い芸術家によって、分有された。彼らが新しくしようとし、その精度を保ちながら、ケルトの精神の裡に発展した芸術によって、凍えた芸術を置き替えようと願ったのは、すべてのブルターニュ芸術であった。 　「セイズ・ブレウル」（７人兄弟、マジックナンバー７は、ブルターニュの七星、七賢人、フランス語のプレイアードである）。そうこうするうちに、７名よりも多くなった。 　この文化運動に参加したのは、大きな地位を占めるジャンヌ・マルヴェル、ジェイムズ・ブイエ、グザヴィエ・ハース、ジョルジュ・ロバンらであった。１８才でこのグループに入ったグザヴィエ・ド・ラングレは、その他のグループに属したが、仲間内では寵児であった。 　この運動は、大衆にあまり知られていない分野の版画に、きわめて敏感な影響力をもっていた。ブルターニュの芸術家の作品の中で版画の扱い方に大きな類似性が認められるのは興味深いことである。少なくとも版画では、油彩画の領域でポン・タヴァン派があるように、これらの芸術家がたしかに一つの流派を称しているといっても過言ではない。幾度となく、これらの版画家たちは、とくにブルターニュの聖者の連作の発展のためにまとまって制作し、それぞれが幾点かの版画を作る割り当てをこなした。この制作は雄弁である。 というのは、各人が各々のスタイルで制作しても、この合作は、私がここに想起させる流派のイデーを完璧に表現するきわめて均度なまとまりを形作るからである。